01 · 地形
四つはすべて ひとつの自治州の中に
このページは玉樹全体を扱う。四冊すべてがこれを共有する。玉樹は見どころではない。青海省南西の隅にある自治州まるごとで、多くの国より広い。ここで扱うのは、その中のひとつの場所だ。
| どの方向か | 接する相手 |
| 北 | 海西州 — チャイダム盆地のある側 |
| 北西 | バインゴリン、新疆 |
| 東 | ゴロク |
| 南東 | ガンゼ、四川 |
| 南西 | チャムドとナクチュ、チベット |
ここで四つの省が接する
青海、四川、チベット、新疆。 玉樹はその継ぎ目にある。南東へ一歩で四川、南西へ一歩でチベット、北西へ一歩で新疆。
三つのチベット世界の継ぎ目でもある。 玉樹はカムだ。言葉、服装、僧侶の系譜がすべてチャムドとガンゼに傾く。北のバヤン・ハル山脈の向こうはアムド。さらに西はウー・ツァン。
四十万人、一市五県
チベット族が約98パーセント、民族は全部で十一。 一市五県。州都は結古——客が泊まる町で、州でいちばん広い平地だ。
唐蕃古道はここからチベットに入る。 長安、西寧、日月山、黄河の源、結古、それから西へラサまで。結古はその道で飛ばせない地点であり、名は「物が集まるところ」を意味する。
その267,000平方キロのうち64,000平方キロは、ここからは管理されていない。 北西の唐古拉鎮は海西州が管理している。ただし面積上は玉樹の公式な領域に数えられる。だから同じ自治州に二つの数字が出る。260,000を超えるものと、200,000を少し超えるものだ。間違いではない。二つの集計基準がある。
一平方キロに二人未満。 四十万人が267,000平方キロに散らばっている。きわめて薄い分布だ。空気中の酸素は海面の60〜70パーセントしかない——ここでは階段で足が止まり、文が短くなる。体力の問題ではない。町が新しく見えるのは同じことの裏側だ。2010年4月14日の明け方、マグニチュード7.1の地震で家のほとんどが倒れ、その後三年の再建が続いた。
02 · 水
ひとつの川、 四つの名
この区間では、長江は長江と呼ばれていない。源から下って三度名を変える——そのうち二度は玉樹の中で起きる。
| 沱沱河真の源 | 唐古拉山脈ゲラダンドンのジャンゲンディル氷河に発する。この区間はチドゥの西の高原にある。水は浅く、河道は網状に分かれる。 |
| 当曲南の源 | 2008年以降の調査は、こちらが真の源だと主張してきた。長さと流量の測り方が違うので、結論も違う。 源をめぐる議論は噂話ではない。方法をめぐる議論だ。 |
| 通天河本流 | 沱沱河と当曲がナンジバロンで合わさるところから、川は通天河と呼ばれ、結古の巴塘合流点までその名で続く。およそ八百キロ。チベット語ではチ・ク——牛の川。 |
| 金沙江上流 | 巴塘合流点を過ぎると川は横断山脈の深い谷に入り、金沙江と呼ばれる。かつて砂金を採ったことに由来する、金の砂の川だ。古い名は麗水。2,300 km以上。 |
| 長江本流 | 四川の宜賓で金沙江が岷江を合わせ、そこでようやく長江になる。宜賓から海まで、さらに2,800 km。 |
通天河という名
中国でこの川が有名なのは 西遊記、巡礼者たちが川に落ち、経典を岸で乾かす場面があるからだ。あれは小説であって地誌ではない。ただし結びつきに根拠がないわけではない。川はたしかに天から下ってくる——4,500 m以上の源が横断山脈を刻む。 名は中国語、川はチベットのものだ。
名が変わるたびに示されるのは川の変化ではなく
両岸の土地の変化:高原から峡谷へ、緩い水から速い水へ、牧草地から農地へ。同じ川、違う目。
通天河の区間は八百キロで約940 m下がる——平均すると一キロに一メートル少しだが、均等ではない。いくつかの峡谷がその大半を持っていく。
川を区間ごとに名づけるのは中国の古い習慣
大きな川は端から端までではなく、区間ごとに名を持つ。長江は沱沱河、通天河、金沙江、長江。黄河はユエグゾンリエ、ザリン湖、エリン湖、黄河。 これは恣意的ではない ——名は勾配、幅、両岸の土地に従う。名とは地理ノートの書き込みだ。
03 · 水
三江源は広がりであり、 見どころではない
三江源を、入場券を買って入る場所だと思う客は多い。190,700平方キロの国家公園だ——たいていの省より広い。
| 項目 | 内容 |
| 何か | 中国で最初期の国家公園の一つ。2021年10月に正式に設立 |
| 広さ | 190,700 km² |
| どこ | 青海南西部:玉樹のチドゥ、チュマライ、ザドゥ。ゴロクのマドイ。海西のゴルムド。 |
| 区域 | 三つ:長江源、黄河源、瀾滄江源 |
| なぜここか | 長江、黄河、瀾滄江はすべてここに源を持つ——だから「中国の水塔」と言われる |
三つの川、三つの方向
長江。 唐古拉山から下り、玉樹を抜け、青海の南東へ出る。
黄河。 ユエグゾンリエに源を持ち、青海を東へ出て四川と甘粛を抜け、大きく曲がって戻る。
瀾滄江。 ザドゥ県に源を持ち、南へ中国を出てメコンになる——六か国。
玉樹の位置
州内に二つの源。 長江の源と瀾滄江の源はどちらも玉樹にある。黄河の源はゴロクのマドイだ。
だから「三江の源、聖なる玉樹」は修辞ではない:三つのうち二つが自治州内に源を持つ。
そして結古は長江本流の上に ——通天河が町の脇を流れる。多くの人が思うより中心だ。
三江源は三江併流ではない。 三江源は長江、黄河、瀾滄江の源地域で、青海にある。三江併流——三つの川が並んで流れる地域——は金沙江、瀾滄江、怒江が合わさらずに並ぶ雲南の地域で、世界遺産だ。漢字一文字違い。別の場所、別の省。
「国家公園」がなぜ大事か
呼び名が良いだけの景勝地ではない。国家公園は保護が先で利用が後だ。内部には管理区画とレンジャーがおり、核心区は閉じられている。ここで何が見られるかは、入場券より季節、道、規則による——たいていの景勝地はそうではない。
04 · 水
川が名を変える のはここだ
結古は通天河が巴塘川と出会う段丘の上にある。西が通天河、南が巴塘。この二つの水が町の位置を決めた。
見える三つのこと
色。 ここは澄んだ水で、土砂が少ない。夏の雨で一日濁り、また澄む。
河道。 広く、浅く、網状——高原の川の典型だ。水は砂利の洲を回って分かれ、また合わさる。
谷。 両岸に段丘。町が段丘にあるのは洪水が届かないからだ。
名が変わるところ
合流点が一つ。 巴塘は南から来て、町の西で通天河に合わさる。
その点より下流で、川はもう通天河ではない。金沙江だ。
つまり、長江はこの町の脇で通天河をやめて金沙江になる。 これほどの川が小さな町の外れで名を変える。立ち止まって見る値打ちがある。
直門達水文観測所
巴塘合流点の上流、1956年に観測所が設けられた。長江源流域の管理観測所だ。流量、土砂、水質がこの上部区間全体について、数十年にわたり一点で記録されてきた。その下流で川は峡谷に入る。
結古で水のそばに立つと、長江の最初の区間を見ている。 二千三百キロ下流、宜賓でようやく長江という名になる。 さらに2,800で海に着く。
網状
分岐
勾配が緩く、水が浅く、土砂が多い。河道は砂利の間で分かれ、また合わさる。中流の通天河はこうだ。
段丘
棚
洪水線より上の平らな棚。町がそこに建っているのには理由がある。
峡谷
下刻
勾配が集中し、河床が下へ刻まれ、谷が狭まる。合流点より下流、これが金沙江だ。
川岸での三つの規則: 砂利に車で乗り入れない——表面は固そうで下は湿った砂で、車はすぐ沈む。何も投げ込まない、魚を放さない。三江源全域で外来種の放流は禁じられている。マニ石と祈祷旗は取らない、動かさない。
05 · 四つのうちのひとつ
測る単位は 千里
ほかの三つは町の外れにあり、一日で回せる。これは違う。千里の単位で測るほかなく、ほかより一桁大きい。
1水が尺度だ。 川がここで二度名を変える。それが知らせるのは地形の変化だ。高原、峡谷、牧草地、農地がひとつの河道に沿って並ぶ。ここがわかれば、町の位置はひとりでに説明がつく。
2石は時間だ。 石は腐らない。三世紀で数百億個の石。四つの中で時間が見えるのはここだけだ。一度に建てられたのではなく、石ひとつずつ育ったからだ。
3寺と像は人だ。 交差点を見張る丘に置かれた寺。峡谷の崖に刻まれた九体の像。一方は交通を、もう一方は信仰を司る。その間の距離は一日の道のり——そして俗世と出家の距離でもある。
四つの中から選ぶ
半日:水と石。 どちらも町の外れにあり、行きやすい。 丸一日:寺を足す;展望が町と谷を説明してくれる。 寺は二十キロ先にある ——道は楽だが、帰りを見込んでおく。四つすべては要らない。二つをわかるほうが、四つを回るよりいい。
玉樹で珍しいのは特定の場所ではなく これほど違う四つがこれほど近いことだ。 一日のうちに、大きな川から、石の山、丘の寺、峡谷の九体へ——この密度はめったにない。
| 三江源この冊 190,700 km² 見どころではなく広がり。長江、黄河、瀾滄江の源がすべてここにある。 |
嘉那嘛呢 1715年創建 三世紀にわたり町のように積み上げられた数百億個の刻まれた石。いまも増えている。 |
| 結古寺 1398年建立 町の北の丘にあるサキャ派の寺。1937年、第九代パンチェンがここで亡くなった。 |
公主寺 唐代の九体の浮彫 内部で祀られているのは毘盧遮那で、公主ではない。像はベイナの崖に刻まれている。 |
| 覚拉寺 覚拉、ナンチェン・カギュ 四つの外にある場所。さらに南のナンチェンにあって、朝のコルラ、マニ石の壁、向かい斜面の古い祈祷旗。 |
2026年10月 · 玉樹
Samantha
本冊は公開資料から編んだ。三江源国家公園管理局の資料と公園設立方案、青海省人民政府の報告、長江源区の水文・地質の公開資料。年代と数字に異説がある場合は本文に示した。入場料、開館時間、走行時間、所要時間は意図的に書いていない。